店舗をお考えの方に

 建築と言えども、店舗は商売道具の一つと思っております。常にコストプランニングと費用対効果を考えた設計を心掛けております。店舗設計は、住宅設計等とは違い施主や設計者の自己満足であってはならないと思います。只、ご来店頂くお客様の満足を最優先に考えたこだわりは必要です。そのこだわりに人が集まってくると思っております。
 通常、建物を引き渡すと設計監理業務が終了したと考えている方が多いと思いますが、私はその後、店舗をオープンしお客様にご来店頂き、予定通りの売上が上がった時点で業務終了と心掛けております。
 ご来店頂いたお客様に笑顔でお帰り頂ける様なお店造りをモットーにしております。

設計と施工(工事)について

 設計とは、建築主の要望を設計図書にまとめる事を一定の報酬で行う職能行為ですが、工事は設計図書通りに必要な資材をより安く買い、要領良く作業をして利潤を追求する営利事業であると思います。一般には建築業者に設計から工事まで依頼され、設計は受注した建築業者が設計事務所に下請けに出す事が多いと思いますが、それでは下請けの設計事務所は立場が弱くなり工事監理の機能がうまく働かなくなります。
 設計まで工事業者に依頼するのでは、他に比較する物が無く、価格交渉もうまくゆきません。これでは、業者の言い値で契約する事になってしまい、建築業界に市場原理は働きません。
 設計図書が先にあり複数の工事業者から見積りをとり、それを設計者の援助で比較すればそこに、自然に市場原理が働き、同じ設計でも工事業者により見積金額に差が出てきます。
 設計を頼まれた建築士は建主の立場に立って工事を監理するので、営利を追及する工事業者の監督と対峙する事になります。それゆえに、工事業者の自主監理より信頼性は高いと思われます。
自ら襟を正し建主の立場に立って設計施工される建築業者もたくさんいらっしゃいますが、この様な観点からも設計は直接、専業の設計事務所に依頼され、工事とは分離する事が必要だと考えます。

(一部朝日新聞記事より抜粋)